~100話目~ヒト・コミュニケーションホールディングスの銘柄分析

ヒトコムHDは販売・営業・サービス分野を中核として営業支援企業です。マーケティング分野のアウトソーシングをメインに事業を行っており、セクターは主にデジタル営業支援/販売系営業支援/ツーリズムスポーツ/ホールセール/セールスビジネス支援となっています。

■セクター毎売上規模(20年8月期決算資料より)

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■ヒトコムHDの上場後業績推移

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21年8月期の数字については会社予想値になります。売上、営業利益の伸びもほどほどって感じですね。(笑)

さて早速定量・定性観点からこの会社を見ていきます。

 

<大化け銘柄判定>

1.時価総額は300億円以下?? 

2021年3月18日の株価2040円で時価総額365億円。

 

2.上場して10年以内。会社設立50年以内か??

上場2019年。会社設立1998年。

 

3.平均年齢が若く平均年収が上場企業平均より低いか??

44.4歳。701万円。 ※2020年有報より

商工リサーチ調べで上場企業の平均年齢41.3歳、平均年収630万円。

※ただし、持ち株会社のヒトコムHD16人のみのデータとなっているため各々の会社のデータはまた異なると思われる。

 

4.経営陣が主要株主欄にいるか??

社長が1.15%の株式を保有

 

5.少数特定者保有比率が50%以上 浮動株比率が20%以下か??

大株主上位10名で84.24%。浮動株比率は8.7%

 

<成長株判定>

1.予想増収率が7%以上か??

19年→20年の増収率は12%。

20年→21年の増収率予想は2%。 ※但し、上方修正確率高い。

 

2.予想営業利益増加率7%以上か??

19年→20年の増益率は5.3%。

20年→21年の増益率予想は11.1%。 ※但し、上方修正確率高い

 

3.予想営業利益率の増加率がプラスかマイナスでも15%以内か??

19年→20年は4.7%→4.4%。

20年→21年は4.4%→4.8%。 ※恐らく上方修正により利益率もあがる

 

4.予想当期利益増加率がプラスか??

19年→20年は-21%

20年→21年は4+37% ※但し、上方修正によりあがる

 

 5.3~10年先の成長が描けるか??

 

デジタル系の人材は不足しているため需要はあると思われる。また、人員不足・固定費削減などで企業のアウトソーシングも今後進むことが予想される。長期的にどうかは微妙だが中期的には成長余地ありと考える。

 

<安全性判定>

1.自己資本比率が30%以上か??

自己資本比率45.8% ※2021年8月期3Q決算時点

 

2.営業CFが2期連続でマイナスでないか??

2019年8月期24億円 2020年8月期36億円

 

3.有利子負債対現金比率は3.5以下か??

0.5

 

<割安性判定>

1.予想PSRは2.5倍以下か??

21年8月期予想売上730億円で時価総額365億円なのでPSR=0.5倍

 

2.予想PERは30倍以下か??

株価2040円で予想EPS105.4円のため予想PER19.35倍

 

3.PBRは5倍以下か??

PBRは3倍

 

<その他確認項目>

1.ネットキャッシュは時価総額に対していくらか??

ネットキャッシュ=現金+売掛金+有価証券-買掛金-有利子負債=51.3億円

時価総額365億円

ネットキャッシュ倍率は7.15倍程度。

 

2.ROEは12%以上あるか??またROEの構成はどのようになっているか??

ROE=12.2.%

売上高当期純利益率=2.1%

総資産回転率=2.6倍

財務レバレッジ=2.35倍

ROEは12%以上あるが、利益率ではなく総資産回転率と財務レバレッジが高くなっている

 

3.株主資本を毎期積み上げていっているか??

当期純利益は毎年黒字で推移しており右肩上がりになっている。

 

4.時価総額は営業利益の10倍以内か??

時価総額365億円で試算

2021年予想営業利益36億円なので10.1倍

 

5.営業利益率は何%か??

2021年8月期で4.8%予想。

 

6.ROIC(投下資本利益率)はいくらか??

運用サイド:投下資本=運転資本+固定資産

調達サイド:投下資本=有利子負債+株主資本

税引き後営業利益=営業利益(1ー法人税率)

運転資本 = 売上債権 + 棚卸資産(在庫) - 仕入債務

 

運用サイド:投下資本=97.37-56.9+91.7=132.17億円

調達サイド:投下資本=54.14+123.66=177.8億円

税引き後営業利益=35億円×(1-48%)=18.2億円

 

運用サイド:投下資本利益率=18.2億円÷132.17億円=13.7%

調達サイド:投下資本利益率=18.2億円÷177.8億円=10.2%

 

※2019年日経225銘柄の平均ROIC=6.8%

 

7.配当性向はいくらか??

配当性向=20.4%

 

<定性的視点>

1.利益のドライバーは何か??

デジタル系人材と支援内容のバリュエーション

 

2.今後の成長戦略は??

デジタル営業支援機能を強化していきまた営業先の業種も飲食や自治体などに広げていく。

 

3.重要KPIは?

不明

 

4.拡大余地はどの程度あるか??

拡大余地はかなり大きいと思うが算出不可。資料掲載無し。

 

【まとめ】

ここまで定性・定量観点から見てきましたが、正直定性観点でいうとこの会社の何が優れてるのかはあまりピンときませんでしたwwただ営業支援というシンプルなビジネスモデルながら24年で売上730億円まで成長した企業力は凄いなと感じてます。定量視点でいうと、業績・財務健全性などから考えるとかなり割安に放置されてるなという印象です。まあ利益面の成長率を考えると仕方ないのかもしれませんが・・・

直近の業績でいうと1Qは鬼滅効果もあり四半期営利は過去最高の数字をたたき出しています。利益率も7%に改善されています。またこの1Qの業績は2Q、3Qにも続くと考えており上方修正は確実にあるだろうなと思っています。バリュエーションも割安ですし下値余地低く上を取れそうなのでしばらくは保有しておこうかなと思います。

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